超簡単! モノクロ写真の自家現像/モノクロフィルムの種類とコスト



(はじめに)


 デジカメ全盛時代にフィルム写真にこだわるのは大変です。まず、時勢に逆らい続けるには、少しばかり、勇気が要ります。もちろん、カメラ屋さんに行けば、まだフィルムは売っています。しかし、フィルムコーナーは年々縮小するばかりで、フィルムについての情報もだんだんと減ってきています。ですから、フィルム商品の動向を、いつも自分でモニターしていなければなりません。
 また、デジタル写真は、いくら撮ってもお金はかかりません。しかし、アナログ写真は,撮れば撮るほどフィルム代がかかります。そのため、コスト面にも気を配らなければなりません。
 しかし、記録目的ではなく、作品作りという観点から見ると、フィルム写真の写りには、どうしても捨てがたいものがあります。デジタル一眼レフでモノクロ写真を撮ると、レンズ性能もピントもほぼ同じような製品が増えたためか、どれも同じような写真になってしまいがちです。
 ここでは、これからモノクロフィルム写真を始める方のために、コストをかけずに、モノクロフィルム写真を楽しむ方法を紹介します。



(フィルムを1本ずつ買う)


 現時点でモノクロフィルムを手がけているメーカーとしては、コダック、富士フィルム、イルフォードなどがあります。この中では、コダックが比較的安価です。量販店なら24枚撮りで260円から300円くらい、36枚撮りで370円から400円くらいでしょう。何本かをまとめて買うともう少し安価で手に入ります。富士のフィルムもだいたい同じような値段です。これと比べると、イルフォードのフィルムは、少し高いようです。
 自分は、撮影結果をすぐに確認できるように、24枚撮りをよく使います。初めての場合も、失敗してもあまり後悔しないことを考えて、まずは24枚撮りを購入しましょう。




(フィルムを100フィート缶で買う)


 モノクロフィルムを100フィート(30.5m)の長さに切って、缶につめたものも売られています。こちらは、1缶が3900円くらいです。これを、デイロールという機械を使ってワンタッチパトローネにつめる作業を、のんびりと行います。

デイロールの写真

デイロール

ワンタッチパトローネの写真

ワンタッチパトローネ(左)と、その構成部品(右)

 24本撮りのフィルムを作るのに、だいたたい1mのフィルムが必要です。ですから、1缶(30.5m)のフィルムから約30本近くのフィルムがとれます。ということで、100フィート缶なら、24枚撮りフィルムが130円くらいになります。しかし、初期投資として、デイロール(LPL L11711、16000円程度)を買う必要があります。ちなみに、デイロールにはワンタッチパトローネがおまけで沢山ついてきます。
 最近は、100フィート缶を店頭であまり見かけなくなりました。そこで、10缶程度ストックしておくことにしました。自分の場合、モノクロフィルム写真の撮影ペースは、1週間にだいたい1本くらいです。ですから、10缶で、あと5年以上は撮り続けることができます。その間に、個性的なデジカメが増えることを祈っています。実際、近い将来に、メーカーは、デジカメの表現力の限界に気づき、たとえばCCDのプログラミングを少し変えて、トライX風、ILFORD風などに設定できるデジカメを発売するかもしれません(このような技術はすでにどこかに有るかもしれませんね)。また、画面のゆがみをお手軽に補正するためにレンズ付きフィルムのフィルム面のようにCCDの形を変形させて、それにWaiWaiワイドのプラスチックレンズを取り付けただけの超軽量・超広角デジカメ! が出てくるかもしれません(これはさすがに無理でしょうか? でも発売されたらすぐに買います)。



(フィルムの種類)


 どのフィルムを使うかについて、いろりろ悩むのも、フィルム写真の楽しみのひとつです。フィルムの写りは好みの問題なので、どれがおすすめかについては、一概にはなんとも言えません。自分は、富士フィルムのネオパン 400 PRESTOが、ラティチュードが広く、写りがシャープで、使い易いと感じていました。このフィルムは、心なしか定着も早いようでした。ところが、富士の100フィート缶は,いつの間にか、カタログから消えてしまいました。
 そこで、最近は、100フィート缶が入手しやすい、コダックのプロフェッショナルT-MAX100(100 TMX)かプロフェッショナルT-MAX400(400TMY)、またはプロフェッショナル トライ-x400(400TX)を使うようになりました。
 トライXは昔から報道や芸術分野で使われてきたフィルムで、レトロで味のある写真に向いています。このフィルムを増感して荒めの写真を楽しむ方も多いようです。一方、T-MAXシリーズは、解像度もコントラストも高く、どちらかと言えば、デジカメに近いような、写実的な写真になります。
 フィルムの写りは現像の仕方により、出来上がりは大きく変わりますので、その写りについては、これ以外にも、さまざまな意見があるようです。ただ、経験的にいって、露出をきちんと計算して使い、決められた方法で現像すれば、どのフィルムであっても、銀色に輝く、美しい写真に仕上がることは確かです。

 

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