ペンタックス MZ-Mの紹介


(特徴と性能)


 1997年11月にペンタックスから発売されたマニュアルの一眼レフカメラです。サイズは135 x 90.5 x 55mmですから、一眼レフというよりは、大きめのコンパクトカメラくらいの大きさです。そして、重さはなんと305g(本体のみ)しかありません。
 このカメラは、オートフォーカスのMZシリーズから、AFとフラッシュを取り除いたもののようです。その割り切りの良さが、手になじむ道具のような、シンプルで使い易い一眼レフを生み出したのでしょう。
 そもそも、一眼レフは、ファインダーが見やすいために作図しやすい、ピントや露出を実像で確認できる、レンズ交換がし易い、等のメリットを持っています。このカメラは、この軽さと小ささでありながら、これらのメリットを享受することができます。
 それに加えて、操作系が直感的にとても理解しやすいことも、このカメラの特徴です。シャッタースピードは右のダイアル、露出補正は左のダイアルなど、操作系の配置はきわめて単純です。さらに、それらの設定状態を一目で確認することができます。また、露出のメモリーロックも専用ボタンが配置されています。MZ-Mは、全ての設定を自分で決めたいマニュアルファンにとっては、まさに理想のカメラといえるでしょう。
 このカメラにはフラッシュがありません。しかし、このことが逆に、「厳しい撮影条件にチャレンジしたい」という撮影者の意欲を引き出します。たとえば、室内で、F2.8程度のレンズで、遅いシャッタースピードによる手ぶれと戦いながら、自分なりの作品を生み出すためには、相当の鍛錬が必要です。そこに、わくわくするような趣味性を感じます。


重量 305g
大きさ 135mmx90.5mmx55mm
マウント ペンタックスKA2マウント
レンズ

KA2,KAF,KA,Kマウントレンズ, SMCペンタックスA,FAレンズ,ペンタックスAレンズ
絞り制御用信号ピンのないKマウントは絞り優先自動露出,マニュアル露出可能

シャッター 縦走りフォーカルプレーンシャッター1/2000〜30秒(絞り優先)
1/2000〜2秒(シャッター速度優先)
露出制御

TTL開放2分割測光
2分割測光(FA,F,A)/中央重点測光(FA,F,A以外)
制御範囲:EV1.0-21.0
露出補正±3EV(1/2ステップ)

露出モード

レンズAポジション(プログラム自動露出,シャッター速度優先露出)
レンズAV値(絞り優先自動露出,マニュアル露出,バルブ露出)

フィルム

DX (ISO25-5000, 1/3 step)
マニュアル (ISO6-6400, 1/3 step)

ファインダー

ペンタミラーファインダー
視野率92%
倍率0.77倍
画面内:TV値,AV値,バーグラフ,露出補正マーク,メモリーロックマーク
画面外:フラッシュ、フォーカス、シャッター速度、フォーカスインジケーター

ストロボ なし
ストロボシンクロ(外部調光方式)
専用ストロボ接点付き
シンクロ速度(1/100秒)
電池 3Vリチウム電池(CR123A)2個
フィルム送り オートローディング(撮影終了時自動巻き戻し)
メーカー ペンタックス
発売日 1997年11月
発売価格 40,000円

 このカメラを手にとって最初に考えたのは、リコーのパンケーキレンズのことでした。当時、リコーから、2つのパンケーキ・レンズが発売されていました。それは、45mmF2.8と28mmF3.5というレンズです。どちらも重さは数十グラム程度しかありません。
 そこで、とりあえず45mmF2.8(55g)を買い、MZ-Mに装着しました。この組み合わせは本当に使い易いものでした。なんといっても、小型軽量(400g程度)ですから、どこへでも持参して、一眼レフの撮影の醍醐味を味わうことができます。
 また,1万円程度で入手できるコシナの20mmF3.8(184g)と組み合わせれば,価格,性能,使い易さの3拍子が揃った,絶妙の超広角カメラになります.
 鞄の隅にこれらの組み合わせを入れておくと、わずかの休憩時間でさえ、とても待ち遠しくなります。

MZ-Mとrikenon45mmF2.8

 



(XRリケノン45mmF2.8の作品・作例)



ペンタックス MZ-M + XR リケノン 45mmF2.8 作品ギャラリー1 2008.12.3
  
ペンタックス MZ-M + XR リケノン 45mmF2.8 作品ギャラリー2 2009.1.30


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